長谷川農場長指南!!令和元年のおいしい米づくり - 3

長谷川農場長指南!!令和元年のおいしい米づくり

令和元年度の稲作を振りかえって

  1. 令和元年度の気象・生育
  2. 令和元年産の作柄
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♦1 令和元年度の気象・生育

4月上旬~中旬、5月上旬
全体的に平均気温低く日照時間多かった(育苗期)

苗の徒長は全体的に少なく、カビや細菌による立枯病の発生も少なかったようです。また、ハナエチゼンの田植え作業は順調に行われました。

5月中旬~6月初め
平均気温かなり高く、日照時間多く推移した(移植期~分げつ期)

5月17~20日にかけて吹いた南風の影響により植え傷みしました。また、この期間は高温・小雨・多日照で経過したため藻の多発やワキの発生がみられ、その影響からかコシヒカリ、あきさかり等の分げつの確保が遅れました。
6月20日時点でいずれの品種も平年に比べ茎数少な目に推移しました。ハナエチゼンの幼穂形成期は6月26日でほぼ平年同様。梅雨入りは、6月7日で平年より5日早かったようです。

6月中旬~7月中旬
7月上旬を除き全体を通し気温やや低く日照時間も少なかった(分げつ期~幼穂形成期)

茎数は生育前半少な目に推移しましたが、6月下旬以降急激に増加し、6月末には、コシヒカリ、あきさかりの茎数は平年を上回りました。草丈は、平年に比べ短く推移しました。コシヒカリの幼穂形成期は7月10日で平年並み、ハナエチゼンの出穂期は平年より1日遅れ7月17日となりました。あきさかり、直播コシヒカリの幼穂形成期は7月16日、17日と平年に比べ2日程度遅れました。梅雨明けは、7月24日で平年並みでした。

7月末~8月前半
気温かなり高く、日照時間多く雨の降らない日が続いた(出穂期)

コシヒカリの出穂期は8月1日で平年同様、あきさかり、直播コシヒカリの出穂期は平年に比べやや遅れました。出穂期のSPAD値は各品種とも昨年に比べやや高かったようです。8月14~15日にかけて台風10号によるフェーン現象により白穂が見られました。

8月下旬
気温低く、日照時間少なく雨の日が続いた(登熟期)

台風や長雨の影響でハナエチゼン、コシヒカリの圃場で一部倒伏が起こりました。ハナエチゼンの収穫は、8月20日前後から始まりましたが雨の影響で平年に比べやや遅れました。

9月上中旬
気温高く、晴れの日が続いた(成熟期)

9月6日~8日に台風13号の接近によるフェーン現象が発生しました。また、登熟期間がかなりの高温だったこともありコシヒカリやあきさかりで胴割れの発生が見られました。コシヒカリの収穫は、9月10日頃から始まりましたが雨の影響でやや遅れました。また、いちほまれの収穫もほぼコシヒカリと同様の時期でしたが、あきさかりの収穫は雨の影響でやや遅れました。

♦2 令和元年度の作柄

全国、福井、坂井管内の作柄等―全国、北陸、福井いずれも平年並み

11月1日公表された全国の作柄は、529kg/10aで前年並み、作況指数99で平年並みとなりました。

地域別の作況指数

北海道・東北は梅雨明け以降の好天に恵まれ104のやや良です。

  • 北陸101 平年並み
  • 近畿99 平年並み
  • 東海98
  • 関東・中国が97 やや不良
  • 四国94
  • 九州は87

作柄低下の要因は、西日本を中心に7月上・下旬の低温や日照不足に加え九州や中四国でのウンカなどの害虫や台風17号による潮風害が影響したと思われます。

10月末現在の全国の1等比率は約72.9%と前年産の最終値に比べ7.4%下落。これは猛暑で1等米比率が低下した10年産に次ぐ低さとなりました。
県別にみると1等比率の低下が目立つのは、夏場の高温から新潟県や宮城県などでした。長崎、佐賀などの九州地方も振るわなかったようです。

北陸の作柄は101と平年並みでした。県別作況指数は、新潟・福井100で平年並み、富山・石川が102でやや良。北陸4県の1等比率は55.2%で9年ぶりの低水準でした。新潟県37.1%、富山県84.5%、石川県84.0%、福井県85.2%と新潟県が特に低くなりました。

福井県の作柄は、北陸農政局の調査によると

  • 穂数→やや多く
  • 1穂籾数→平年並み
  • 全籾数→やや多く
  • 登熟→やや不良(8月下旬の多雨と日照不足)

となり、収量は497kg/10a(ふるい1.70mm)、作況指数100(ふるい1.85mm)となりました。

坂井管内の作柄は、ハナエチゼン、あきさかりは、平年を上回り一定の収量を確保しましたが、コシヒカリは屑米重が多く収量は低下しました。ブランド化を目指すいちほまれは、前年を上回りました。

県・坂井地域の主要品種の品質-猛暑の中1等比率90%以上

福井県全体の1等米比率(2019年10月31日付)は、昨年に比べ登熟期の高温やフェーン現象等の影響によりいずれの品種もやや低下しました。
坂井地域では、昨年に比べやや低下しましたが主要品種は90%を超えました。品種別にみるとハナエチゼンは県と同レベル、コシヒカリ等のそれ以外の品種は県平均をやや上回りました。

主要品種の等級割合(10月31日現在)

( )昨年

品種 1等比率%(坂井) 1等比率%(県全体)
ハナエチゼン 90(92) 90(92)
コシヒカリ 91(97) 89(90)
あきさかり 96(99) 88(93)
いちほまれ 96(97) 93(97)

格落理由

福井県全体の品種別格落理由(2019年10月31日付)をみると、すべての品種でカメムシの被害、次に胴割れが目立ちました。
坂井地域では、ハナエチゼンではカメムシ、コシヒカリでは胴割れ、乳白、あきさかり・いちほまれでは、カメムシ、胴割れの被害が目立ちました。

福井県全体の格落理由

  • ハナエチゼン...斑点米75%、未熟10%
  • コシヒカリ...乳白36%、胴割れ25%、斑点米23%
  • あきさかり...斑点米67%、胴割れ17%
  • いちほまれ...胴割れ38%、斑点米35%

坂井地域の主要品種の格落理由割合(1等→2等以下)(%)

( )県全体

品種 胴割れ 乳白 未熟 カメムシ その他
ハナエチゼン 4(5) 3(8) 1(10) 90(75) 4(5)
コシヒカリ 67(25) 19(36) 3(13) 7(23) 4(4)
あきさかり 31(17) 3(3) 0(10) 60(67) 6(4)
いちほまれ 29(38) 14(11) 0(5) 57(35) 0(10)