長谷川農場長指南!!令和元年のおいしい米づくり - 2

長谷川農場長指南!!令和元年のおいしい米づくり

第2回目の内容

  1. 稲作期間の気象概況
  2. これまでの生育状況について
  3. 今後の対策
  4. 坂井農場参観デー開催される

♦1 令和元年 稲作期間の気象概況(4月〜6月)

4月

高気圧に覆われ晴れや薄曇りの日もありましたが、低気圧や寒気の影響で、雨や曇りの日が多くなりました。平均気温(12.0度)は、平年(12.8度)より低く、日照時間、降水量は平年並みとなりました。旬別みると上旬の平均気温は低く中下旬は平年並みでした。

5月

高気圧に覆われて晴れた日が多くなりましたが、低気圧や前線の影響で雨や曇りの日もありました。平均気温(19.3度)は、平年(17.7度)よりかなり高く、日照時間(平年比185%)もかなり多かったようです。反面、降水量(平年比68%)と少なかったです。

旬別の平均気温は、上旬は低く、中旬以降はかなり高く推移しました。しかし、最低気温の低い日がかなりありました。
また、コシヒカリの田植直後の5月17日から20日にかけて南からの強風が目立ちました。

6月

高気圧に覆われれた日もありましたが、低気圧や前線の影響で5月同様、雨や曇りの日が多くありました。平均気温(22.6度)、日照時間は平年並み、降水量は多かったです。梅雨入りは、6月7日で、昨年より2日早く、平年より5日早かったです。

旬別の平均気温は、上下旬は高く、中旬は低く推移しました。降水量については、上下旬は多く、中旬は平年並み。日照時間は、上旬少なく、中旬平年並み、下旬は多くなっています。

気象状況

♦2 これまでの生育状況について

令和元年の生育状況を解説

5月の最低気温、5月17日からの強風や、一部の圃場で発生した藻の影響を受け、6月20日までの坂井農場の生育状況は、いずれの品種も、草丈は平年並みから短め、茎数は平年に比べ少な目に推移しました。ハナエチゼンの幼穂形成期は6月27日で、ほぼ平年並みでした。

7月4日現在の各品種の生育状況は

  • ハナエチゼン......草丈は平年に比べやや短め、茎数やや少なめ。
  • コシヒカリ......草丈短め、茎数はやや多い。幼穂形成期は7月第2週となる見込み。
  • あきさかり......草丈短め、茎数はほぼ平年並み。

気象対策試験を行っている農業試験場、県下各地点の生育状況もほぼ同様の生育となっています。

気象対策の県下各地域の生育調査結果(令和元年7月4日)

農業試験場(福井市)

ハナエチゼン(5/2)、コシヒカリ(5/21)、直播(5/10)、あきさかり(5/2)

草丈cm、茎数本/m²

区分 草丈 平年 茎数 平年 葉齢 平年 葉色 平年
ハナ 62.1 65.2 564 579 12.0 11.9 4.7 4.8
コシ 52.9 60.3 564 525 10.3 10.3 4.2 4.2
直播コシ 55.6 61.1 424 605 10.1 9.8 4.5 4.1
あき 54.5 61.1 709 656 11.6 11.6 4.5 4.4

坂井農場

ハナエチゼン(5/2)、コシヒカリ(5/15)、直播(5/7)、あきさかり(5/15)

草丈cm、茎数本/m²

区分 草丈 平年 茎数 平年 葉齢 平年 葉色 平年
ハナ 62.1 63.8 454 509 11.3 11.3 4.4 4.7
コシ 56.6 60.7 524 466 10.4 10.3 4.1 4.2
直播コシ 55.3 62.3 653 595 10.1 10.1 4.2 4.2
あき 51.3 55.8 526 531 10.3 10.2 4.5 4.6

現地圃場平均

ハナエチゼン(4/30)、コシヒカリ(5/17)直播(5/1)、あきさかり(5/21)

草丈cm、茎数本/m²

区分 草丈 平年 茎数 平年 葉齢 平年 葉色 平年
ハナ 60.6 61.9 481 506 11.9 11.2 4.6 4.5
コシ 54.8 59.6 475 454 9.9 9.9 4.5 4.1
直播コシ 55.3 60.5 766 605 9.7 9.7 4.4 4.3
あき 51.9 56.9 439 504 11.1 10.9 4.9 4.7

♦3 今後の対策

ハナエチゼンの幼穂形成期は6月27日でほぼ平年並み、コシヒカリの幼穂形成期は7月第2週となる見込みです。坂井農場のコシヒカリ、あきさかりの幼穂形成期の平年値は、7月10日、7月14日です。稲の成長は、栄養成長期から生殖成長期に転換します。

○水管理

水稲の生育と水管理(コシヒカリの場合)

生育 時期 水管理
幼穂形成期 7月中旬 幼穂形成期以降は、新しい根が出ない。根をいかに大事にするかがポイント
溝切・中干しによる間断通水の励行
出穂期以降 8月初め〜 間断通水の目的
  1. 土壌中の酸化状態を維持
  2. 根の老化、下葉枯れを防ぐ
  3. 光合成能力の向上
また、一括肥料の成分溶出を安定させるためにも収穫直前までは土の表面が乾き始めたら水をいれる飽水管理(常に湿った状態)を行う。
(入水→自然落水→乾く前に入水)
フェーンや台風の場合は深水管理を行い乳白米の発生防止に努める。

コシヒカリの根の乾物重の推移

○穂肥の施用

幼穂の確認

幼穂確認の図

分施の場合(コシヒカリ)

時期 目安、葉色 N施用量
1回目(出穂前18日) 幼穂長7〜10㎜ 3.5 2kg/10a程度
2回目(出穂前8日) 1回目の10日後 2kg/10a程度

コシヒカリ以外の品種は、幼穂長2mm(出穂前23日)あきさかり(葉色4.0)、イクヒカリ(葉色4.0〜4.3)を目安に2kg/10a、2回目はその10日後に施用してください)

一括施肥の場合

田植え時に規定通り施肥された場合は、基本的に追肥は行わない。しかし、幼穂形成期に、葉色が淡く茎数が少ない場合は、穂肥を施用しましょう。

また、逆に草丈長く、茎数多く、葉色が濃く倒伏が懸念される場合は、倒伏軽減対策を講じてください。営農指導員や普及指導員に相談してください。

○病害虫の発生と対策(適期防除の励行)

病害虫の発生予報(7月1日発表)

病害虫名 発生予報
葉いもち・穂いもち 平年よりやや多く、前年より多い
紋枯病 平年より少なく前年並み
斑点米カメムシ類 平年よりやや少なく、前年より多い

斑点米カメムシ対策のポイント

  • 畦畔、休耕田等雑草地の草刈りの徹底
  • 水田内の後発ヒエの発生防止
  • 2回防除体系の実施

病害対策のポイント

  • 梅雨明けが遅い場合は、いもち病に注意、また梅雨明けが早く高温が予想される場合は紋枯病注意。前年紋枯病の発生があった圃場は特に注意してください

適期刈取りの励行

早刈りは食味の低下、遅刈は胴割れの原因になります。刈取りの目安として、籾水分25%以下で刈取りを行いましょう。営農情報などに注意してください

♦4 農場参観デー開催される

7月6日農場参観デーが開催され、多数の人に参加していただきました。当日は、天候にも恵まれ、本年の取組の3つのポイントを中心に説明しました。

5月連休植えのいちほまれ(現在幼穂形成期を迎えている)
令和元年7月10日現在

  1. 花咲ふくい米の品質向上をはかり、迅速な情報提供を図るため、県と連携した気象対策試験
  2. いちほまれの品質・向上を図るために新肥料試験や出荷期間の拡大を目指し5月連休に田植試験
  3. 温暖化により、水稲の生育ステージが早まる傾向にあります。また、収量構成要素でみると、穂数、籾数が増加し登熟歩合、千粒重がやや減少する傾向にあります。これらに対応するため、肥料のバージョンアップを狙った試験やこのほか、箱施薬試験や除草剤試験など本年の生育概況や圃場毎の取組について説明いたしました。