コシヒカリ特A評価を維持するためさらに品質アップ!食味アップ!の栽培技術 - 1

コシヒカリ特A評価を維持するためさらに品質アップ!食味アップ!の栽培技術

2013年5月 昨年の検査状況と平成25年度坂井農場の取り組みなど

  1. 平成24年の気象と稲の生育
  2. 平成24年産米の検査状況
  3. 平成25年坂井農場の取り組み
  4. 今一度おさらい 米づくり品種
  5. 今一度おさらい 育苗
  6. ここに注意 [田植え]
  7. 農作業でケガをしないように

平成24年度産米の分析

■平成24年の気象と稲の生育を振り返って

平成24年の風景

4月の育苗期間前半の低温により生育は、やや遅れ気味、下旬以降高温となり、苗の生育は平年並みとなりました。本田の生育は、田植後の5月中旬以降の気温が低温であったため、やや緩慢でしたが、その後平年並みの気温となり、ほぼ平年並みとなりました。梅雨入り(6月9日)後は、日射量が多く、降水量が少ない日々が続きました。7月・8月はゲリラ豪雨があったものの、登熟期間の高温・小雨の気象条件の影響により登熟は良好となった。24年稲作の特徴は、いずれの品種も草丈が短く登熟歩合は平年に比べ高くなった。また、適期田植のコシヒカリは、稲体がコンパクトになり、籾数過剰を抑制していることが品質の安定につながったことと考えられます。

JA花咲ふくいでは、タンパク含量を測定するために、すべてのカントリーに食味計を設置し、食味向上に取り組みました。

平成24年産米の検査状況

県内上位等級比率(平成24年10月10日現在)坂井農林総合事務所調べ

地区 24年度
ハナエチゼン
(1等米比率)
23年度
ハナエチゼン
(1等米比率)
24年度
コシヒカリ
(1等米比率)
23年度
コシヒカリ
(1等米比率)
坂井地区 85.3 87.5 92.1 90.5
県全体 89.6 88.9 92.2 89.0

■食味ランキングで特A評価!

平成24年度は食味ランキングにおいて、福井県産のコシヒカリとハナエチゼンが特A評価を受けました。これは、平成22年度産からコシヒカリの移植時期を5月中旬以降に繰り下げる適期田植えの実施によるものと考えられます。昨年の福井県の作況指数100、1等米比率は北陸地域で最も高くなりました。

本年度も昨年に引き続き特A評価を獲得し、消費者に喜ばれるおいしい米作りに取り組みましょう。タンパク含量が高いと食味は低下することから特にコシヒカリにおいては、タンパク含量6.7%以下を目指した米作りに取り組みます。

平成25年 坂井農場の水稲栽培試験取り組みについて

米を巡る激しい産地間競争に対応し、花咲米のさらなる品質向上、特A維持に向けて、坂井農場では今年もさまざまな取り組みを実施します。

1.コシヒカリの品質・食味向上

コシヒカリの品質と食味向上を図るため、適期田植えを基本に土壌改良資材や有機質肥料などを用いた施肥量の適正化や、茎や葉を丈夫に稲体の健全化のための肥料試験を行います。また気象や生育状況に対応した適切な技術対策情報を提供します。

2.エコファーマー化の取り組み

エコファーマーの技術導入・定着を図るため、エコ肥料や低成分の農薬などを用いて、コシヒカリ・ハナエチゼン・あきさかり等の栽培試験を行います。

3.直播栽培の収量・品質向上

直播栽培のエコ技術の確立を図るため、コシヒカリ・ハナエチゼン・あきさかりの直播用に開発されたエコ基肥一発肥料や除草剤の試験を行います。

4.新品種の実証

福井県農業試験場と連携し、大粒で低アミロース米の晩生品種(越南246号)の大規模実証試験、新たに育成された早生品種(越南239号、越南241号)とハナエチゼンの比較試験を行います。

5.こだわり米の推進

クリムソンクローバー栽培の様子

特別栽培米の推進を図るため、緑肥作物(クリムソンクローバー)による栽培試験を行います。(A圃場にて)


クリムソンクローバーは、窒素成分を多く含んだ植物です。土と一緒にすきこむと土に窒素成分が入ります。化学肥料をまかなくても、有機100%で土作りができるのです。食味値アップにもつながるといわれ、おいしい米作りの一端を担います。

圃場設置図

A圃場

田植えの様子
  • 品種名:ハナエチゼン・越南239号・越南241号・コシヒカリ
  • 田植日:5月1日、5月16日

B圃場(直播)

  • 品種名:ハナエチゼン・あきさかり・コシヒカリ
  • 播種日:5月9日

C圃場

  • 品種名:越南246号・日本晴
  • 田植日:5月7日

D圃場(大豆跡)

  • 品種名:コシヒカリ・あきさかり
  • 田植日:5月16日

今一度おさらい 米づくり品種

みなさんが作っているお米の誕生日や由来、ご存じですか?ミニ知識程度に覚えておいてくださいね。

■コシヒカリ

1956年 福井県農業試験場で誕生。
生みの親が、坂井市丸岡町出身の石墨慶一郎博士です。コシ(越)の国に光が輝くコメという願いを込めて名付けられました。1979年以来、作付面積全国一を誇り、現在は全国で作付面積の約37%を占めています。コシヒカリの子や孫を含めると実に約85%が、コシヒカリからうまれた品種。平成25年産のコシヒカリはタンパク値6.7%以下で区分します。よりおいしいお米を消費者に届ける方針です。

■ハナエチゼン

1991年 福井県農業試験場で誕生。
コシヒカリよりもいち早く花を咲かせることからハナエチゼンと命名されました。炊きあがりは白くて光沢があり、「白い、早い、うまい」の三拍子が揃ったお米と言われています。近年品質が劣ってきていますので注意を。斑点米が第一の原因ですから、カメムシ類の発生と防除を徹底しましょう。

■あきさかり

2008年 福井県農業試験場で誕生。
コシヒカリよりも1週間程度収穫期が遅い品種です。収穫の秋、この品種が末永く愛され反映することを願って名付けられました。コシヒカリに比べ短棹で精米白度が高くおいしいお米です。栽培のポイントは、穂数を多くして、籾数を確保すること。基肥窒素量を確実に施肥して適期に穂肥を投入しましょう。

今一度おさらい 育苗のこと

苗の写真

いい苗、いい稲体は、育苗で決まります。
温度管理をしっかりしましょう。育苗における「温度」とは、苗箱のすぐ上の気温のこと。ハウス内に温度計を設置し、こまめに管理してください。
温度は25度以上にしない。
温度は10度以下にしない。
灌水は午前中(午前10時まで)に行いましょう。

育苗期の管理

播種後日数 育苗期 管理
3〜5日 緑化期
  1. 温度は昼20〜25℃、夜10〜15℃。
  2. 直射日光は避ける。
  3. 水は少なめに。
  4. 床土の表面が乾いたら少量灌水。
6〜10日 育苗前半
1葉期まで
  1. 日中は25℃以上にならないように換気に注意する。(夜間極端に冷える場合、10℃を下回らないように注意。)
  2. 葉がまかない程度の控えめの灌水。
11〜20日 育苗後半
  1. 田植後の天候に負けないようビニールのスソをまくり、外気にならす。
  2. ムレ苗に気をつけ、通常の灌水を行う。

健苗の目標

項目 稚苗 中苗
草丈(cm) 10〜12 13〜15
苗令(葉) 2.0〜2.4 3.2〜4.0
地上部乾物重(mg/本) 10 20
充実度(mg/cm) 0.8〜1.0 1.3〜1.5
播種量(粒/㎠) 3.8〜4.0 1.9〜2.0
育苗日数(日) 18〜22 30〜35

ここに注意 [田植え]

田植えの様子

田植え【前】の注意

  • 耕起・代掻きは、田面に凹凸がないよう丁寧にしましょう。
  • 代掻きから田植えまでの期間を空けすぎないように。
  • 水管理が適切に行えるように、「畦塗り」「水尻」の整備を綺麗に行いましょう。
  • 漏水を防ぐことも大切です。

田植え【中】の注意

  • 過剰な生育を抑制するため、細植えをしましょう。(3~4本/1株)
  • 過繁茂にならないように、施肥量は基準量を守ってください。
  • 「箱施薬」と「除草剤」を間違えないようにしましょう。

田植え【後】の注意

  • 良い茎を作るためには、植え付け後は深水に、活着後は浅水に。
  • 「除草剤」を散布後、7日程度は、かけ流し・落水をしないように。

農作業でケガをしないように

毎年農作業事故で年間約400人の方が亡くなっています。(全国)
長年の慣れや、不注意、あせりから思わぬ事故に発展してしまうケースも少なくありません。みなさん、操縦の際は気を抜かずに焦らず作業を行ってください。